ディープモンスターの思い出 デビュー編

はじめに

これは、ディープモンスターという名の競争馬を、とある駆け出し一口馬主出資者の目線から応援する、というお話である。

ディープモンスターとの出会い~すみれS勝利まで

ディープモンスターとの出会い

〇一口馬主になるきっかけ

2019年も年末を迎えた頃、筆者の学生時代からの親友Yが、ある一言を漏らす。

Y俺、シルク会員になったんだ。来年2歳デビューする馬に出資したよ!

筆者「えっ!?なんだって!?

Y今からなら、シルク会員になっても出資は間に合わないけど、DMMバヌーシーなら間に合うかもよ!

かくして、このような経緯より、筆者はDMMバヌーシー会員となり、一口馬主生活がスタートすることとなった。

〇出資馬選び

2019年末、出資したい馬を探す。

ご存じの方も多いと思いますが、普通のクラブ馬への出資は7~8月頃に始まり、早いクラブでは早々に満口となってしまいます。筆者はかなり出遅れてしまっておりましたが、この時点で満口は数頭であり、出資できる馬は結構残っていました。

筆者「始めて出資するんだから、良い戦績を残しそうな馬が良い。よし、ディープインパクト産駒にしよう!

と素人根性丸出しではあったが、こうして方針は決まった。候補は2頭いた。

・オールウェイズウィリングの18 (父ディープインパクト、国枝厩舎、牡、のちのレアンカルナシオン)

シスタリーラヴの18(父ディープインパクト、池江厩舎、牡、のちのディープモンスター)

両馬とも1口¥39,000 × 2000口であり、金額は同等。正直どちらでも良かった。ただし、筆者には一つの事情があった。それは2020年4月より、仕事で関西への転勤が決まっていたことだ。

そこで、関西の池江厩舎に所属予定のシスタリーラヴの18を購入することに決めた。こうして、ディープモンスターとの出会いは始まるのでした。

しかし、後々明らかになっていくのですが、このディープモンスターという馬は何とも言えない大物へと成長していくことは、この時はまだ知る由も無かった。

馬名の決定

〇馬名の募集

2020年1月、出資馬の馬名の公募があった。この馬は小柄ではあるが、父ディープインパクトのように走る馬と信じていたので、カッコいい馬名が良いと思い、頑張って考えました。

筆者は洋楽が好きなので、好きなロックバンドの名前で応募することにした。

〇馬名決定

募集された候補名からバヌーシー陣営が8つに絞り、そこから各出資者が候補3つを選んで投票を行う。その結果を基に①票数、②投票人数、③クラブが合理的と判断する馬名、という3条件から馬名を決定するものであった。

まずは8候補が選ばれたが、そこに筆者が提出した名前は無かった。

2020年3月、8候補への投票が始まったが、そこには1つ、やたらと目立つ名前があった。

その名は「ディープモンスター」!!

ディープとプロボクサー井上選手のニックネームのモンスターを合わせた名前とのことであったが、筆者は「小柄なこの馬のイメージではないな。これはネタだな。」と思い、この馬名には投票しなかった。

しかし、結果は意外なものとなった。

ディープモンスターは投票数が第2位。しかもクラブの審査の結果、ディープモンスターに決まりました、との通知が出てしまった。

筆者「えっ!?なんだって!?

意外ではあったが、こうして馬名は決定された。

新馬戦デビュー

〇入厩

小柄な馬ではあり、入厩に時間がかかるものと思われたが、2020年5月に「ディープモンスター入厩」との通知があった。そして、すぐにゲート試験もクリアし、優秀さが伺えた。

一旦、吉澤ステーブルWESTに戻り、少しして帰厩となる。この時、ついに池江先生から待望のコメントが出る。

池江先生「デビュー予定は8月23日小倉1800mにしたいな思います。

さらに、2020年7月に追加で

池江先生「武豊騎手に依頼させていただき乗っていただけることになりました。」

筆者「えっ!?なんだって!? 自分の出資した馬に、あのレジェンド武豊騎手が乗るの!?

まるで夢のような出来事に筆者は驚きと感動に満ち溢れまくりであった。

しかし、レース当日、レジェンド騎手に対してとんでもない過ちをしてしまう事になるとは、この時は知る由も無かった。

〇新馬戦デビュー?

2020年8月23日、ついにディープモンスターはデビューを果たす。

この馬はなぜか毎回、調教で抜群の動きを見せていた。さらに池江先生も、この馬に期待しているようにも伺え、期待は膨らむ一方であった。

単勝1番人気となり、多くの人に期待されている中、本馬場へ入場した。その時に事件は起こった。

 ディープモンスター放馬!?

ディープモンスターは、あのレジェンド騎手を放り投げて逸走してしまう。捕まったが、結局、疲労が著しいとのことで出走取消となってしまった。ただ、武豊騎手は「本当に楽しみな馬なので、また乗りたいです」と言ってくださっていたようでした。

〇気を取り直して、新馬戦デビュー

再調整のため、一旦、吉澤ステーブルWESTに戻され、しばらくして帰厩する。そして、2020年10月、10月31の京都2000m新馬戦に出走するとの通知があった。さらにリベンジを果たすかの如く、再び武豊騎手の騎乗も決まった。

2020年10月31日、ディープモンスターはリスグラシューの弟クローヴィスを差し置いて、またもや単勝1番人気に支持される。この日は無事にゲート入りもスムーズに果たされた。

そして、ついに待望のゲートは開かれる!

ディープモンスターはまずまずの好スタートを切り、先団に取りつく。さらに先団のまま4角を回り、横綱相撲のような競馬をしていた。最後は危なげ無く先頭でゴールイン。

ディープモンスターは新馬戦を勝利で飾ったのです。

筆者はこの時、泣かなかったと言います。

池江先生もレース後、「クラシックに出さないといけない馬です!」と明言を言ってくださっていた。

2戦目 エリカ賞、3戦目 梅花賞

〇2戦目 エリカ賞出走

2戦目は12月12日阪神9R芝2000mのエリカ賞に早々に決まった。次も武豊騎手が乗っていただけることとなった。

このレースには、のちのライバル(お友達) となるアドマイヤハダルも出走していた。

当日、またもや単勝1番人気に支持されており、筆者も勝利への自信があった。スタート後、やや後方気味ではあったが、直線では外に持ち出し、脚色は良さそうであった。ところが、斜め前にいたニホンピロマリブが外側に膨れた影響で、ディープモンスターは進路が一瞬塞がれてしまい、脚色が鈍ってしまう。最後は末脚を伸ばしつつも、先頭のアドマイヤハダルを差し切れずに2着に終わった。

ディープモンスターが初めて敗北した日となった。

〇3戦目 梅花賞出走

2戦目後はそのまま在厩し、3戦目の1月17日の中京9R芝2200mの梅花賞に、引き続き武豊騎手で出走することとなった。筆者は「ここで負けるようではクラシックなど夢のまた夢となってしまうぞ!」と不安に思っていたが、その不安は焦燥となる。結果は1着。見事1勝クラスを卒業し、次はクラシックに出走するための賞金を稼ぐ重要な一戦を戦うこととなる。

クラシック出走への重要な一戦

〇レースの選択

クラシック第1戦である皐月賞に出走するためには

①トライアルレースで優先出走権を獲得する。(弥生賞1~3着、スプリングS1~3着、若葉S1,2着)

②収得賞金で上位10頭以内に入る。

のどちらかの条件を満たさなければならない。この時点でディープモンスターは収得賞金は1,000万円で、とても②は満たせない。皐月賞までの期間を考えると、次の1戦で皐月賞への出走を決めたいところ。

さあ、果たして池江先生とバヌーシー陣営はどちらを選ぶのか?

〇すみれSへの出走

選んだ選択肢は②。次走はすみれS 芝2,200m(リステッド) 武豊騎手で決まった。すみれSの場合は1着で無ければ収得賞金は加算できないが、勝利できれば収得賞金は1,100万円加算でき、合計2,100万円となる。2,100万円であれば、皐月賞はほぼ間違いなく出走はできる。しかし、負けてしまうと皐月賞への出走は絶望的となる。

恵まれる点として、すみれSは翌週の弥生賞や、その2週間後のスプリングSと若葉S、その1週間後の毎日杯に有力馬が出走する傾向があるので、出走メンバーは手薄となりやすい。

さらに、前走の梅花賞は2,200mであり、距離は問題無いことも確認できている。池江先生の決断は十分なものであった。

〇4戦目 すみれステークス出走

2021/2/28 ついにクラシック出走を賭けた重要な一戦、すみれSの日がやってきた。

ディープモンスターは8頭立ての8枠8番。小頭数なので枠も悪くないし、体調は万端、期待が高まる。

本馬場入場後、1つのアクシデントが起こる。右前脚の蹄鉄が外れてしまったようである。

筆者「何してんねん!重要な一戦なんやぞ!

しかし、無事に蹄鉄は打ち換えられ、出走できそうな状態であった。のちに分かった事だが、パドック時に武騎手と幸騎手が蹄鉄に違和感があるのを感じ取っていたようでして、レース前に異変に気付いてくれたようである。

そして、新馬戦の時のような放馬も無く、無事にゲートにも入り、ついにゲートが開かれた。スタートの瞬間、次のアクシデントが起こる。ディープモンスターは大きく外に膨れてしまい、出遅れた。

筆者「何してんねん!重要な一戦なんやぞ!

スタートの失敗に筆者の不安を掻き立てる。しかし、筆者の不安な気持ちを尻目にディープモンスターは道中後方2番手を追走し、4角では外に持ち出して直線勝負に賭けていた。

さあ、ディープモンスターは直線伸びてくれるのか?

伸びた! 伸びた!!

そう、ディープモンスターはゴール前の直線で末脚を発揮し、2着のグロリアムンディに2 1/2馬身の差を付け、見事1着となった。ディープモンスターは幾度の問題を乗り越え、皐月賞への出走を決めたのでした。

次回に続く・・・

ディープモンスターの思い出 皐月賞編